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第22話

「じゃあ、そうするよ」

「うん」

電話を切った後、霧島弥生は江口堅にメールを転送した。ミスがないように転送した後、さらに仕事の内容を丁寧に説明した。

彼からの返信はしばらく経ってからだった。

「了解した。心配しないで、早く休んでね」

病気の時に、信頼できる人が仕事を引き継いでくれるというのは、霧島弥生にとっても一息つけることだった。

今日中に会社に戻るつもりだったが、もう一日家で休むべきだと感じた。

そして、今は最も重要なことに向き合わなければならない。

そう考えて、霧島弥生は自分の腹に目を落とし、下腹部を軽く撫でた。

気づかないうちに、ここに新しい命が宿っていた。

しかし、彼女はこの子をどうするべきかまだ決めていない。

中絶するのか、それとも?

頭の中は混乱していた。

彼女はスマホを取り出し、親友に電話をかけた。

*

「何?妊娠したって?ぷっ!」

カフェの中で、霧島弥生の向かいに座っていた女の子は、飲んでいたコーヒーを思わず吹き出してしまった。その激しい反応に、多くの人がこちらを見ていた。

霧島弥生は恥ずかしくなった。

彼女は周囲を見回し、知り合いがいないことを確認してから、ほっと息をつき、紙ナプキンを取り出して親友の尾崎由奈に渡し、声を低くして言った。「騒がないでよ、みんなが見てるじゃない」

尾崎由奈は紙ナプキンを受け取って汚れを拭き取り、頷いた。

「ごめんね、ちょっとびっくりしちゃって」

霧島弥生は仕方なさそうに親友を見ていた。

尾崎由奈は、カップを置いて、テーブルに顔を伏せ、霧島弥生を見つめた。彼女の目はまん丸で、声をひそめて聞いた。「どうして突然妊娠しちゃったの?ちゃんと避妊してなかったの?」

「してたわ」霧島弥生はコーヒーを一口飲み、淡々と言った。「予想外だったの」

「じゃあどうするの?産むつもり?」

この質問に、霧島弥生は少し止まり、しばらくしてから首を横に振った。

尾崎由奈は驚いた表情を浮かべた。「え、産まないの?どうして?結婚してもうかなり経ったし、宮崎くんも弥生ちゃんを大事にしてるじゃない。どんなところに行っても一緒に連れて行くし。私に偽装結婚だって教えてくれてなければ、私、本当の結婚だと思
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